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- 登録後、商標の使用注意点 -

商標権の権利存続期間の更新

登録後、商標の使用注意点

<商標権の権利存続期間:登録日から10年間>

商標制度は、商品やサービスを識別する目印である商標を保護することにより、商標を使用している事業者の営業上の信用を保護する制度です。

従って、登録を受けている商標が指定商品/指定サービスに使用されているならば、長年にわたる商標の使用の結果蓄積された信用を保護する観点から商標権の権利存続期間を限る必要はないと言えます。

しかし、
①商標権者が業務の廃止、等の理由で商標権の存続を希望しなくなった、
②商標権が成立している商標が時代の推移とともに反公益的な性格を帯びるようになった等の場合には商標権を存続させる必要がありません。

また、
③長期間にわたって使用されていない大量の登録商標(商標権)が存在し続けてしまうと、第三者が使用することを希望する商標を選択できる余地が狭められるという問題が生じます。

このように、一度設定された商標権が、何らの制限なしに永久に存続することは好ましくありません。
そこで、商標権の権利存続期間は登録日から10年間とされています。

<商標権の権利存続期間の更新>

商標権の権利存続期間は登録日から10年間とされていますが、所定の更新登録申請を商標権者が行うことにより、10年間ずつ、何回でも更新を行い、半永久的に商標権を維持することができます。

これによって、長年にわたって商標を使用し続けたことにより蓄積された信用を保護して権利の永続性という商標権のもつ本質的な要求を満たし、一方で、上述した①〜③の問題点を解決しています。

<権利存続期間更新登録申請の手続>

商標権存続期間の満了前6月から満了日までの間(6カ月間)に、商標権者が特許庁に対して更新登録の申請を行い、登録料を納付するのみで10年間の権利存続期間更新が認められます。

商標権が成立している登録商標が、指定商品/指定サービスに実際に使用されているかどうか、等の使用チェックや実体審査は行われることなく、更新登録申請と更新登録料納付のみで、権利存続期間の更新が認められます。

特許庁へ納付する更新登録料:
(10年分一括納付):38,800円/1区分
(分割納付):22,600円/1区分 (前期5年分、後期5年分ともに)

商標権存続期間の満了前6月から満了の日までの間に商標権者が更新登録申請を行うことができなかった場合、その期間が経過した後であっても、商標権存続期間満了日から6カ月以内に更新登録申請を行って商標権を維持・存続させることができます。ただし、この場合には、更新に必要な登録料の他に、これと同額の割増登録料を納付することが必要になります。

<権利存続期間満了による商標権の消滅>

商標権者が更新登録の申請をすることができる期間内にその申請を行わない場合、その商標権は、存続期間の満了の時に消滅します。

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